ushigome17のブログ

ある日突然逮捕された男の20日間

2022年10月31日(月)

留置場のまどり

留置場のまどり

AM6:30

目を開けたら見知らぬ天井。

あぁ自分は捕まったのだと改めて実感する。

本日は取り調べ等何も無いと前日に告げられていたので、一日何をして過ごせばいいのかと思案する。

寝れているのか寝れいないのか体調はすこぶる良くない。

朝食・房内清掃を経て、AM8:30から運動場に連れ出される。

軽く体をほぐし待機中の娯楽として貸本を借りるのだが、一冊しか借りず暇を持て余し後悔することになる。

タイトルは覚えてないのだが、因果応報という言葉を二文字で表したタイトルの小説で、作者は伊藤…なんとかさんという方の復讐ものの小説だった。

 

夕方ごろ、同じ房内に8番が入ってくる。

本日から同室らしい。

入房する際に、彼がマンガ日本の歴史を3冊持っているのが見え、そこで初めて本は3冊まで借りられる事を知る。

借りていた小説を読み終わり暇を持て余していたのでかなり羨ましかった。

 

彼とは特に何も会話が無かったのだが、同じ空間に人がいるという事象が約20時間ぶりだったので、印象深かった。

 

トイレが近い事から、寝る際は私がトイレ側の位置に布団をひかして貰う。

 

この日の夕食後、明日は東京地検での取り調べだと留置所担当に告げられる。

2022年10月30日(日)

ある日突然逮捕された

AM9:30。

チャイム連打で起こされ、玄関を開けたところ刑事に家宅捜索令状を提示される。

そのまま家宅捜索が行われ、スマホ・PC等の事件に関係しているだろうと思われるものが押収される。

 

AM10:30頃

一緒に警察署に来てほしいと促され警察車両(日産セレナ)に乗せられる。

車内にて逮捕状を提示され、そのまま逮捕。

手錠・腰縄を付けられる。

そのまま東京都内のM警察署まで連れていかれる。※①

正直この時までは、自分が逮捕されたという実感すら無かった。

 

PM0:30頃

東京都内のM警察署に到着。

到着した際は車を大多数の警察官が取り囲み、自分が逮捕されたのだという実感がやっと湧いてくる。

初回の調書作成の為、そのまま取調室に連行され、

 

『所持品の任意提出(任意という名の強制)』

『逮捕事実の認否』

『弁護人に連絡を取るかの確認』※②

 

が行われる。

 

流石に逮捕された経験も無ければ、弁護士を呼ぶ行為が有料なのか無料なのかも判らない状態だったし、逮捕されたという事実で頭が回らな過ぎて弁護士を頼むのを断ってしまった。※③

 

そのまま押収物の取り扱いに関しての説明、調書への押印などが行われ、PM5時ごろに夕食が取調室内でふるまわれる。

 

そのまま、本日と明日は別の警察署内の留置場に留置されるとの説明がされ、PM7時頃同じ東京都内のU警察署に移送される。

 

後で知った話だが、どうやらM警察署の留置場に問題行動を起こす人間が留置されたらしく、単独房(初日は被疑者の人となりが判らないため、必ず単独留置になるらしい)が空いてなかったのが原因らしい。

 

PM7:30頃U警察署に到着。

 

留置所内の検査室にて着ていた衣服を脱ぎ身体検査と任意提出された所持品に過不足が無いかの確認が行われる。

 

玉の裏や尻の穴の中まで見せなければいけず、刑務所物の映画などで知っていた光景ではあるが、本当に実施しているとは思ってもいなかった。

 

危険物の持ち込み等(自殺や他殺防止など)が無いようにする措置らしいのだが、、、実際にこのようにして過去に持ち込んだ人間がいたという事実の方が恐ろしい。

 

そのまま11/2までU警察署内で17番と番号で呼ばれることになり、6畳ほどの留置場に入れられる。

 

洗面用具、着替え(スエット・下着・靴下・ハンカチ)は無料で貸出品を支給してくれた。※④

 

トイレは洋式の綺麗なものだった。

 

すでに就寝時間(PM9時)近かった為、布団室?から布団一式を運びそのまま就寝。

 

就寝時も室内が見れるよう部屋の中央の電気は消灯されず、非常に寝ずらい。

 

一人なのでとにかく不安なままの一日目が終わることになる。

 

 

※①

スマホを真っ先に押収されたので誰とも連絡が取れず(職場にさえ連絡させてもらえず、『話が聞きたいから一緒に来て』と同乗するよう促される)

 

※②

この際、国選弁護人制度に関する話や、有料無料等の話は無し。

実際は当番弁護士(その日の持ち回りの弁護士)が無料で来てくれ、今後の流れ等の説明などを行ってくれる。

また、逮捕から拘留されるまでの2日間については、刑事被疑者弁護援助事業を用いた相談等が行える場合があるので、初日に呼んだ方が良い。

 

※③

今思えば結果オーライ(この後、かなり優秀な国選弁護人が付くことになる)だが、不安なら必ず当番弁護士を呼んでおくことを推奨する。また、被疑者の家族が当番弁護士を派遣することも可能なので、家族が逮捕された場合は、日弁連のサイトを閲覧することを推奨します。

 

www.nichibenren.or.jp

 

※④

この時点で家族と連絡が取れていれば差し入れ可能かは不明。

また、私の場合はU警察署に2日間しかいない事が決定しているため、強制的に貸出品の支給だった。後述するが、ここで洗面用具を買うか・買わないかでその後の快適度合いに雲泥の差が出ることになる。ていうかこの時点の私は、洗面用具や各種物品を購入できるという事実さえ知らない。

ある日突然逮捕された

逮捕

 

私も実際に逮捕されるまでは、『 そんなことTVやドラマの中での話だろ 』なんて思っていました。

 

刑事さんは、ある日突然やってきます。

 

それが身に覚えのあるものでも、無いものでも。

 

このブログは、私が実際に逮捕され拘束が解かれるまでの20日間を当時留置場の中で書いていた日記を元に記したものとなります。

 

『 もしかしたら逮捕されるかも 』 『 家族が逮捕された 』 『 押収品が還付されない 』 など、私が実際に経験したこのブログが読者の皆様の一助になれば幸いです。

 

また、当時の日記を元にブログを作成していますので、一部読みにくい部分があると思いますが、私の感情の揺れ具合も含めて記しておりますので、ご了承下さい。